収益向上を義務付け。
時事ネタですが、2017-8-25、日経新聞一面に経済産業省が製油所閉鎖を促す、とありました。
で、収益向上を「義務付け」ると。
収益向上を義務付け‥なんだろうこの違和感。
シェア50%超えのJXTGが誕生するのを認め、補助金も200億円も出してやるんだから、製油所閉鎖して近隣の価格上げる理由付けて、テメーら今度こそSS(ガソリンスタンド)廃業させまくるんじゃねーぞ、的な思惑でしょうか。
どこのスタンドも収益向上させたいのなんて当たり前じゃないんでしょうか、ていうかこの世に収益が不要なんて商売、人間、存在するんでしょうか。いやしないな。そんな人間商売しないわ。
義務付けする、しなきゃいけない程に安く投げ売ってるって事でしょうかね。それなら非常に納得です。
この長い歴史の中で収益向上を義務付けられた職種がどれだけあるのでしょうか。はっきりとは分かりませんが決して多くは無いでしょう。恥です。恥以外の何物でもありません。
それもこれも元売主導の「油外で稼げるSS」のビジネスモデルを一生懸命やり続けた結果です。
元売が自分達の利益だけを考え、それを販売店に押し付け、責任は販売店に取らせてきました。
真面目なスタンドほど一生懸命その通りにし、個人経営の零細SSは自己資産を投入し、にっちもさっちもいかなくなって泣く泣く店を畳んでいます。
補助金たんまり、というイメージのあるガソリンスタンド業界ですが、補助金をしっかり利用できるのは大規模SSばかりです。
まあぶっちゃけ言いたいのは、もうガソリンスタンド業界は末期に入ってると。なにか手を打つにしても、もう遅すぎるんです。
これ以上ガソリンスタンド増えると思いますか?ぼくは高確率で全国で2万店以下になると思います。
ガソリンスタンド過疎地とか騒がれていますが、むしろ問題が顕在化するのが遅すぎた。それもひとえに、小さなガソリンスタンドが、儲かりもしないのに一生懸命小口のお客さんに寄り添ってくれてたからです。車の町医者の役目を、採算の合わない配達を、大手が見捨てた小口ユーザーを、守ってくれていたからです。
寒冷地の冬、一人暮らしのお年寄りが5リッターだけ灯油が欲しい、もう一滴もないのだと電話をかけてきたら、どうしますか?
大規模になればなるほど、「申し訳ありませんが」と断ります。採算取れないですから。例えそのせいでそのお年寄りが亡くなっても、関係ありません。小口ユーザーですから。
小規模零細のスタンドは、行きます。かなり高い確率で。採算合わないのに、行きます。馬鹿です。売りに行ってガソリン代のほうが灯油の利益より多いなんて、成り立ちません。商売としては失格です。
「だから、何?」そう言えるのが零細SSです。関係ないんです、どうせ儲かってないんだから。それより年寄りが寒くて凍えたらどうする、万が一死んでしまったら自分達が殺した様なもんだぞ、とそこまで言い切ります。
同じガソリンスタンドでもえらい違いです。
そして、今どんどん無くなっていってるのは言わずもがな、小規模零細SSです。
まあ儲からないですからね、それはね、当然ですよ。しかも利益にならないこと平気でやるし。
でもね、無くなって初めて分かると思いますよ、どれだけ助けられてたか。
でかいとこが見捨てた商圏で、一生懸命燃料油を供給して。
儲からんでも自己資産投入して、やれるだけやって。
でかいとこは、それ絶対やらない。儲からなかったら撤退。後のことは、しらない。だって関係ないじゃん。
うむ、どうも恨み節みたくなってしまいましたが、まあ別にスタンドの淘汰自体は仕方ないなと思ってはいるんです、実際。
むしろもうほんと無理しないで休んでくれ、借金してまで続けないでくれ、お願いだから‥という気持ちです。
逆にでかいスタンドが何億も借金かかえて倒産しました、なんてのを見るとお客さんには悪いけどザマーみろと思いますね、はい性格悪いです。